manufacturing method features

Insulation

⽊繊維断熱材STEICOの原材料は、成⻑する資源である⽊材の製材時にでる端材等で、湿式製造法と乾式製造法の異なる製造工程で製造しています。いずれも繊維加工に適したトウヒ(マツ科の針葉樹)を原料に使用しており、シュタイコ社の優れた湿式製造法では合成樹脂を使用せず高密度なボード状へと形成していきます。乾式製造法では厚みのある製品を製造することを得意としており、その製品特性に合わせて製造工程が分けられています。

比較的新しい乾式製造法では水を使わず、熱乾燥と圧縮により製造されます。厚みのある製品製造と相性が良く、製造の際にはポリウレタン樹脂を添加することで形状安定性に優れ300mm程度の厚板ボードでも均一化した木繊維断熱材が製造できます。(製造製品例:STEICO Duo Dry、Zell、Flex ※Zell、Flexはポリウレタン樹脂 無添加)

木に含まれるリグニンを結合剤として利用するため、合成樹脂や接着剤などを添加する必要がなく安全性に優れています。製造工程は、木材を繊維状にした状態で水を加え全体を糊状へと加工し成型機械で形を整えます。その後、蒸し乾燥を経て仕様のサイズにカットされます。密度が高く20mm厚以下の圧縮強度に優れた木繊維断熱材はシュタイコ社の高い技術の証明でもあります。(製造製品例:STEICO Base)

Sustainability

Sustainability

⽊繊維断熱材STEICOの⼀次製造エネルギーは、約560kWh/㎥で、硬質ウレタンフォームの約1,585kWh/㎥と⽐べて35%、ポリスチレンフォームの約695kWh/㎥と⽐べて 80%も少ないのです。また、STEICOは製造エネルギーのほとんどをバイオマスの自家発電で補っています。原材料の調達‧⽣産プロセス‧流通‧廃棄のどの段階においても、環境への負荷がより少なくなるように努められ、かつ原材料は⽊材なのでサスティナブルです。

ドイツのエコテスト誌において断熱材分野の総合評価で、推奨品10品目の中でセルロースファイバーを抑えてトップとなっています。エコロジカルな取り組みを評価する各種団体や民間など多方面から持続性の高い素材として評価されているのです。このように現在のドイツでは、低負荷断熱材として評価されており、今後のさらなる普及が望まれているのです。

エコロジカルな取り組みが企業に求められる制度が多い欧州においても、シュタイコ社の「サスティナブルレポート」は先進的、かつ常に進化し続けています。シュタイコ社のあらゆる活動において、環境・経済・社会的な側面から持続可能な社会の実現に向けて行われる独自のサスティナブルな取り組みは、世界各国から評価を受けています。

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Permeability

Sustainability

私たちがドイツやスイスのエコハウスと出会い、人と環境に悪影響を与えない透湿性の仕上げ材を取り扱ってきた中で長年求めていたのは「透湿する壁構造」を造ることでした。そして、エコハウスとして建物を長寿命化させることでした。この木繊維断熱材STEICOは、壁構造を透湿する構成にでき、日本の家の天敵である湿度や結露から建物を守ることができます。

⽊繊維断熱材の特性である透湿性(調湿性)を活かした壁構成を⾮定常計算で結露計算シミュレーションするとその効果は⼀⽬瞭然です。グラスウール(右)と⽊繊維断熱材STEICO(左)を⾮定常計算ソフトWUFIでシミュレーションしたものが左の図です。⽊繊維断熱材シュタイコが採⽤された建物は年間を通して室内の湿度‧温度とも安定しており、快適な空間であることが推測できます。また、壁体内の結露判定は⼀切なく、⽊繊維断熱材シュタイコを使うことでより理想的な住環境になることがわかります。

※グラスウール16kg/100mm充填、木繊維断熱材STEICO duo dry60mm+STEICO flex100mm厚での比較試験

⽊繊維断熱材は、吸放湿‧保湿性が⾼いため結露しにくいことが特徴です。カビや⽊材の腐朽菌は相対湿度が⻑期間に80%を超えると危険だと⾔われていますが、⽊繊維断熱材は1㎥で約7ℓの⽔蒸気を保湿でき、結露の危険性を減らすことができます。実際にシミュレーションすると、構成によっては壁や屋根の内部で相対湿度は80%を超える期間がありますが、⽊繊維断熱材の吸湿で相対湿度を70%台まで落とすことが可能になります。⽊繊維断熱材の吸放湿性と保湿性を活かすためには、可変調湿シートを使⽤することがお勧めです。湿度環境に合わせて吸放湿することで、夏型結露を防ぎます。

日本のエコハウスへの提言

近年では長寿命な建築物が建てられるようになりましたが、一部の先進的な取り組みに留まっています。かつ省エネ化が進むものの、国の基準は世界水準からは大きな遅れを取っている状態です。日本におけるエコハウスは、性能数値やパッシブ設計などの点が大きく取り上げられており、長寿命化という点での素材選定という意味ではまだ認識が高まっているとは言えません。

長寿命化という点では、雨や結露に対する対策や自然・自然エネルギーの活用という点ではまだ検討の余地があると私たちは考えています。

なぜ建物を快適にしながら長寿命化させるのか、より自然エネルギーを活用できる素材は何なのかという点においても考えていく必要があると考えています。

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